失業保険はいくらもらえる?賃金日額と給付率でわかる計算手順

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更新日: 2026年08月30日

失業保険(基本手当)でいくらもらえるかは、「賃金日額」×「給付率」×「給付日数」の3ステップで計算できます。難しそうに見えますが、退職前6ヶ月の給料さえ分かれば、電卓一つで自分の目安額が出せます。この記事では計算の手順を順番に、具体的な金額例つきで解説します。

「辞めたいけど、辞めたあとお金が続くのか分からない」——この不安があるから、なかなか一歩を踏み出せない人は多いです。

でも、失業保険はざっくりでも先に金額を計算しておける制度です。まずは自分の数字を当てはめて、不安を「分からない」から「これくらい」に変えていきましょう。

失業保険の金額はこの3ステップで決まる

基本手当(失業保険)でもらえる金額は、次の3つの掛け算で決まります。

  • STEP1 賃金日額を出す
    退職前6ヶ月の給料の合計を180で割った金額。1日あたりの給料の目安になります。
  • STEP2 給付率をかけて基本手当日額を出す
    賃金日額に50〜80%(60〜64歳は45〜80%)の給付率をかけます。給料が低い人ほど率が高くなる仕組みです。
  • STEP3 給付日数をかけてトータル受給額を出す
    基本手当日額に、もらえる日数(90〜330日など)をかければ、受給できる総額の目安が分かります。

この記事では、この3ステップをそれぞれ具体的な数字で確認していきます。手続きの流れ全体は失業保険はいくらもらえる?金額の決まり方と受給までの手順でも解説していますので、あわせて参考にしてください。

STEP1:賃金日額を計算する(退職前6ヶ月の給料÷180)

賃金日額は、離職日直前6ヶ月の賃金(残業代・各種手当を含む、ボーナスは除く)の合計÷180日で計算します。

例えば、直近6ヶ月の給料(残業代・通勤手当込み、賞与除く)の合計が180万円だった場合、

180万円 ÷ 180 = 賃金日額10,000円 となります。

月給30万円が6ヶ月続いていたなら「30万円×6÷180=10,000円」と同じ計算です。月給を6倍して180で割るだけでも、おおよその賃金日額は出せます。

注意

賃金日額の対象になるのは「毎月決まって支払われる給与」で、賞与(ボーナス)は含まれません。休職や欠勤で給料が大きく減った月がある場合など、個別の計算は個別事情によるためハローワークで確認しましょう。

STEP2:給付率をかけて基本手当日額を出す

賃金日額が出たら、そこに給付率(50〜80%、60〜64歳は45〜80%)をかけます。給料が低かった人ほど給付率は高く(80%に近づく)、給料が高かった人ほど給付率は低く(50%に近づく)なる仕組みです(令和8年8月1日時点)。

そのため、賃金日額10,000円の人が全員同じ金額をもらうわけではなく、「賃金日額×50〜80%」という幅でまず考えるのがコツです。正確な給付率の区分は年齢・賃金水準によって細かく決まっており、ハローワークの公式ページや窓口で正確な数字を確認できます。

ただし、基本手当日額には年齢区分ごとの上限額があります。どれだけ給料が高くても、この上限を超えることはありません(令和8年8月1日時点)。

年齢区分 基本手当日額の上限
30歳未満 7,450円
30〜44歳 8,270円
45〜59歳 9,110円
60〜64歳 7,830円

給料が高かった人ほど、この上限額に頭打ちになりやすい点は覚えておきましょう。「思ったより増えない」のはこの上限のためであることが多いです。

STEP3:給付日数をかけてトータル受給額を出す

基本手当日額が出たら、最後にもらえる日数(所定給付日数)をかければ、受給総額の目安になります。日数は自己都合か会社都合か、勤続年数によって変わります。

離職理由 勤続年数 給付日数(65歳未満)
自己都合・定年等 10年未満 90日
自己都合・定年等 10年以上20年未満 120日
自己都合・定年等 20年以上 150日
会社都合(特定受給資格者) 年齢・勤続年数による 90〜330日
就職困難者 ― 最大360日

例えば基本手当日額6,000円・給付日数90日なら、受給総額の目安は6,000円×90日=54万円です。ひと月分に換算すると、28日サイクルで約16.8万円ずつ振り込まれるイメージになります。

【シミュレーション】年代・給料別にいくらもらえるか

「結局、自分の場合はいくらなのか」が一番知りたいところだと思います。ここでは3パターンの目安を計算してみます(あくまで目安の計算例です)。

ケース 賃金日額 基本手当日額の目安 1ヶ月あたりの目安
20代・月給20万円 約6,667円 約3,300〜5,300円 約9.3万〜14.9万円
30代・月給30万円 約10,000円 約5,000〜8,000円 約14万〜22.4万円
40代・月給40万円 約13,333円 約6,700〜9,110円(上限あり) 約18.8万〜25.5万円

このように、給料が高いほど「率」は下がりますが、上限にぶつからない範囲では受給額自体は上がるという関係になります。給付率の正確な区分点は年齢・賃金水準によって細かく分かれるため、正確な金額はハローワークの窓口や自動計算ツールでの確認がおすすめです。

自己都合と会社都合で金額・もらえる時期はどう変わる?

基本手当日額の計算式自体は自己都合でも会社都合でも同じです。変わるのは主に給付日数ともらえ始める時期です。

  • 会社都合(特定受給資格者)は、給付日数が90〜330日と手厚くなりやすい
  • 会社都合は給付制限(待機期間の追加)がなく、自己都合より早くもらい始められる
  • 自己都合は給付日数が90〜150日にとどまりやすい
  • 自己都合は原則1ヶ月の給付制限があり、もらえ始めるまでの期間が長くなる(令和7年4月1日以降の離職。それ以前は2ヶ月)

「自分は自己都合になるのか会社都合になるのか」で総額も時期も変わるため、迷ったら退職前に確認しておくと安心です。詳しい違いは自己都合と会社都合の違い|給付制限・給付日数を徹底比較で解説しています。

いつからもらえる?待期・給付制限も計算に入れておく

金額が分かっても、「いつ振り込まれるか」が分からないと生活設計は立てられません。

受給資格を得たあと、まず全員に待期期間7日間があります。そのうえで自己都合退職の場合は、原則1ヶ月の給付制限が加わります(令和7年4月1日以降の離職の場合。それ以前の離職は2ヶ月。5年間で2回以上の自己都合離職や懲戒解雇の場合は3ヶ月)。会社都合(特定受給資格者)にはこの給付制限がありません。

つまり自己都合退職の場合、退職してから実際にお金が振り込まれるまで1ヶ月半〜2ヶ月ほどの空白期間ができることが多い、と考えて資金計画を立てておくと安心です。詳しい流れは失業保険はいつからもらえる?自己都合の待期・給付制限を図解で図解しています。

手取りと比べてどれくらい下がる?生活防衛の考え方

計算してみると分かるとおり、失業保険は在職中の手取りの5〜8割程度にとどまります。さらに退職後は住民税や国民健康保険料なども自分で払う必要が出てきます。

「思ったより少ない」と感じるのは自然なことです。だからこそ、計算した受給額をもとに、退職前にどれくらい貯金があれば安心かを確認しておくのが安全策になります。

目安の出し方は退職の貯金はいくら必要?生活費×月数で分かる目安の出し方で解説しています。あわせて、住民税の後払いの仕組みも知っておくと落とし穴を避けられます。

退職後の住民税は前年の所得をもとに課税される後払いの仕組みのため、収入が下がったあとも前年基準で納付が続きます。詳しくは退職後の住民税が怖い理由|前年課税と徴収切替の落とし穴をご覧ください。

計算でよくある間違い・注意点

  • 賞与を含めて賃金日額を計算してしまい、実際より高い金額を想定してしまう
  • 給付率を一律80%として計算し、実際より多くもらえると思い込んでしまう
  • 上限額の存在を忘れ、高給の人ほど「率通り」の金額にならないことを見落とす
  • 給付制限の期間を計算に入れず、退職直後から振り込まれると思い込んでしまう
  • 自己都合前提で計算していたら、実は会社都合に該当していて日数・時期が変わるケースに気づかない

受給資格そのものにも条件があります。一般の自己都合退職では離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算12ヶ月以上必要です。会社都合・特定理由離職者の場合は離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算6ヶ月以上で足ります(現行)。この条件を満たさないと、そもそも計算以前に受給できない点も確認しておきましょう。

計算したあとにやること・必要書類チェックリスト

おおよその金額の目安が出たら、実際の申請に向けて準備を進めましょう。書類の不備で受給開始が遅れることを防げます。

  • 離職票1・2(会社から発行されます)
  • マイナンバーカード(無ければ個人番号確認書類+身元確認書類)
  • 証明写真2枚(6か月以内・正面上半身・3.0×2.4cm。マイナンバーカード提示で省略可)
  • 本人名義の預金通帳
  • 印鑑は不要(現行)

離職票が届かない・見当たらないときの対処法は離職票の必要書類チェックリスト|届かない時の対処法と再発行手順にまとめています。

それでも「辞める」と言い出せない・不安が消えないとき

金額の目安が分かっても、「上司に言い出すのが怖い」「引き止められそうで踏み出せない」という気持ちは別に残るものです。

それ自体は自然なことで、無理に一人で抱え込む必要はありません。伝え方に不安がある場合は退職の切り出し方|上司への伝え方・タイミング・第一声テンプレを参考にしてみてください。

どうしても自分で言うのが難しいときは、退職代行という方法もあります。無理にすすめるものではありませんが、選択肢の一つとして退職代行について知っておくと、いざという時の心の余裕になります。

制度は今後改正される可能性があります。数字はあくまで目安とし、最終的な金額・条件は必ずお近くのハローワークで確認してください。

よくある質問

失業保険の金額はどうやって計算すればいいですか?
退職前6ヶ月の給料の合計を180で割って賃金日額を出し、そこに給付率(50〜80%)をかけて基本手当日額を出します。そこにもらえる日数をかければ受給総額の目安になります。
賃金日額にボーナスは含まれますか?
含まれません。賃金日額の計算対象は毎月決まって支払われる給料(残業代・各種手当含む)で、賞与は対象外です。
給付率は必ず80%もらえるのですか?
いいえ。給付率は50〜80%(60〜64歳は45〜80%)の範囲で、賃金が低い人ほど高い率になり、高い人ほど低い率に近づきます。正確な区分はハローワークで確認できます。
月給が高いと受給額も必ず多くなりますか?
上限額に達しない範囲では多くなりますが、基本手当日額には年齢区分ごとの上限(令和8年8月1日時点で30歳未満7,450円、30〜44歳8,270円、45〜59歳9,110円、60〜64歳7,830円)があり、給料が高くてもそれ以上は増えません。
自己都合と会社都合では受給額の計算式が違いますか?
基本手当日額の計算式自体は同じです。ただし給付日数と、もらえ始めるまでの給付制限の有無が異なるため、結果として総額や受給時期に差が出ます。
退職してすぐに計算通りの金額がもらえますか?
自己都合退職の場合は、待期期間7日間に加えて原則1ヶ月の給付制限(令和7年4月1日以降の離職の場合)があるため、実際の振込まで1ヶ月半〜2ヶ月ほどかかることが多いです。
計算した金額と実際の振込額が違うことはありますか?
あります。賃金の対象となる期間の給与額や休職の有無、正確な給付率の区分などにより差が出ることがあるため、正式な金額はハローワークでの手続き時に確定します。
自分で計算するのが不安なときはどうすればいいですか?
ハローワークの窓口で相談すれば、個別の状況に応じた正確な金額を教えてもらえます。事前に自分でおおよその計算をしておくと、窓口での相談もスムーズです。
次の一歩へ

ここまでお疲れさまでした。次は全体の流れを確認したり、自分に合った辞め方を診断してみてください。


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