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更新日: 2026年08月20日
退職後の健康保険は「任意継続」と「国民健康保険(国保)」のどちらが安いか、実際に見積もりを取って比べないと分かりません。この記事では、その比較のやり方を4つのステップに分けて解説します。申込期限や、家族がいる場合に見落としやすい注意点も合わせて整理しました。
「なんとなく任意継続の方が安心そう」「調べる時間がないから適当に決めてしまう」——そう思っていませんか。実はその選び方、数万円単位で損をする可能性があります。焦らず、順番に見ていきましょう。
退職後の健康保険、選択肢は3つある
会社を退職すると、それまで加入していた健康保険は使えなくなります。次にどうするかは、主に次の3つの選択肢があります。
- 今の健康保険を「任意継続」として最長2年間続ける
- お住まいの市区町村の「国民健康保険」に加入する
- 家族(配偶者・親など)の健康保険の「扶養」に入る
扶養に入れる家族がいれば、多くの場合それが最も保険料の負担が軽くなります。まずは家族の勤務先の保険に扶養として入れないか、家族に確認してみるのが先です。扶養に入れない、または家族がいない場合に、任意継続と国保のどちらが安いかを比較していくことになります。3つの選択肢の全体像は退職後の健康保険3択比較|任意継続・国保・扶養どれが得?でも詳しく解説しています。
「どっちが安いか」は比較しないと分からない|比較の4ステップ
任意継続と国保の保険料は、それぞれ計算のもとになる数字が全く違います。思い込みで決めず、両方の見積もりを取ってから比べるのが、後悔しないための唯一の方法です。
退職前の会社の総務・人事、または加入していた健康保険組合・全国健康保険協会(協会けんぽ)に問い合わせると、任意継続にした場合のおおよその月額保険料を教えてもらえます。在職中の給与明細に載っている保険料の金額も目安になります。
お住まいの市区町村役場の国保窓口、または多くの自治体が公開している国保料の簡易シミュレーターで見積もれます。前年の所得と世帯の人数を伝えれば、担当者がその場で概算を出してくれることが多いです。
配偶者や子どもがいる場合、任意継続と国保では家族分の保険料の扱いが大きく異なります。次の見出しで詳しく説明しますが、この差が最終的な金額を左右することが多いです。
STEP1〜3で出した金額を並べて比べます。任意継続には申込期限があるため、期限内に比較を終えられるよう早めに動き出すことが大切です。
任意継続の保険料の仕組み
任意継続は、退職時の給与(標準報酬月額)をもとに保険料が決まります。在職中は会社が半分を負担していましたが、退職後の任意継続では基本的に全額を自分で負担することになるため、単純計算では在職中の約2倍になると考える人が多いです。
ただし、任意継続の保険料には上限が設けられています。給与が高かった人ほど、在職中の給与そのままの2倍ではなく、上限額に近い金額に収まることもあります。正確な金額は加入していた協会けんぽ・健康保険組合に見積もりを取らないと分かりません。この点は保険者ごとに扱いが異なるため、[要確認]として自分のケースを窓口で確認しましょう。
全国健康保険協会(協会けんぽ)の公式サイト(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/)でも、任意継続の制度概要を確認できます。
国民健康保険の保険料の仕組み
国民健康保険は、前年の所得と世帯の人数を基準に保険料が決まります。会社の給与ベースではなく、自治体ごとに定める料率や計算方法によって金額が変わるため、同じ収入でも住んでいる市区町村によって保険料が異なります。
そのため「他の人はいくらだった」という話は、そのまま自分にも当てはまるとは限りません。自分の前年の所得と世帯人数を伝えて、自分の自治体で見積もりを取ることが欠かせません。
会社都合退職や特定の理由による離職の場合、国保の保険料が軽減される制度が用意されている自治体もあります。対象になるかどうかは個別事情によるため、お住まいの市区町村窓口で確認しましょう。
比較表で整理|任意継続 vs 国保
| 任意継続 | 国民健康保険 | |
|---|---|---|
| 保険料の基準 | 退職時の給与(標準報酬月額)/上限あり | 前年の所得・自治体の料率 |
| 会社負担 | なし(原則全額自己負担) | もともとなし |
| 加入できる期間 | 最長2年間 | 次の健康保険に入るまで継続 |
| 家族が増えたときの保険料 | 被扶養者の条件を満たせば追加負担なしの場合が多い | 世帯の加入者数に応じて増える傾向 |
| 申込期限 | 退職日の翌日から20日以内 | 退職後14日以内が目安 |
| 途中でやめられるか | 本人の申出でやめられる(2022年1月以降) | 他の保険に入れば脱退可能 |
※保険料の具体的な金額は、勤務先・自治体・世帯構成によって大きく異なります。上表は仕組みの違いを整理したものです。
家族がいる人が見落としやすいポイント
配偶者や子どもがいる場合、この差が保険料の総額を大きく左右します。任意継続は、条件を満たす被扶養者がいても保険料が原則増えないのに対し、国保は加入者の人数分だけ保険料が積み上がっていくことが多いためです。
そのため、独身・扶養家族なしの人は国保の方が安く済むケースが目立つ一方、扶養家族が多い人ほど任意継続が有利になりやすい傾向があります。ただしこれもあくまで傾向であり、実際の金額は自治体の料率や退職時の給与によって変わるため、必ず両方の見積もりで確認してください。
申込期限20日を逃すとどうなるか
任意継続の申込みは、退職日の翌日から20日以内という期限があります。この期限を過ぎると、原則として任意継続を選ぶこと自体ができなくなり、国保か扶養の一択になってしまいます。
「比較してから決めよう」とゆっくりしている間に期限が来てしまう、という失敗が実は少なくありません。見積もりを取る作業は退職前後の早いタイミングで始めるのが安心です。
任意継続は退職前に加入していた健康保険組合・協会けんぽへの申込みが必要です。国保は退職後に自治体窓口で加入手続きを行います。どちらも早めに動けば、比較する時間を確保できます。
迷ったときの選び方の目安
見積もりを取った上で、判断に迷う人向けに考え方の目安を挙げます。あくまで一般的な傾向であり、最終判断は必ず自分の見積もり額で行ってください。
- 扶養家族が複数いる → 任意継続が有利になりやすい
- 独身で前年の所得が低め → 国保が安くなりやすい
- 退職前の給与が高かった → 任意継続は上限額に収まる可能性がある
- すぐに転職先が決まっている → 短期間だけの加入なので手続きの手間も考慮する
- 会社都合退職で国保の軽減対象になりそう → 自治体窓口で軽減の有無を先に確認する
よくある失敗例
比較の手順を踏まなかったことで起きやすい失敗を紹介します。同じ失敗をしないための参考にしてください。
「任意継続の方が安心そう」という思い込みだけで決めてしまい、後から国保の方が数千円〜1万円以上安かったと気づいた。見積もりを取らずに決めると、この差に気づけません。
比較に時間をかけすぎて、退職日の翌日から20日という任意継続の申込期限を過ぎてしまい、選択肢が国保だけになった。
自分一人の保険料だけを見積もって決めたが、実際は配偶者・子どもも含めた世帯全体で計算すると国保の方が高くついた。
手続きの流れと必要書類
比較して決めたら、実際の手続きに進みます。任意継続は退職前に加入していた協会けんぽ・健康保険組合へ申請書を提出、国保は退職後に市区町村窓口で加入手続きを行います。
- 任意継続:健康保険任意継続被保険者資格取得申出書、本人確認書類など(保険者により異なる)
- 国保:健康保険資格喪失証明書または離職票、本人確認書類、マイナンバー確認書類
- いずれも保険者・自治体ごとに必要書類が異なるため、事前に電話で確認しておくと窓口で二度手間になりません
離職票が必要になる場面は他にもあります。届かない・再発行が必要な場合は離職票の必要書類チェックリスト|届かない時の対処法と再発行手順を参考にしてください。また、退職後は失業保険や住民税の支払いなど、お金に関する手続きが重なります。失業保険はいくらもらえる?金額の決まり方と受給までの手順、退職後の住民税が怖い理由|前年課税と徴収切替の落とし穴も合わせて確認しておくと、退職後のお金の見通しが立てやすくなります。
制度は変わることがあります
健康保険や国民健康保険の制度は、法改正によって条件や上限額が変わることがあります。最新の情報や自分のケースでの正確な金額は、加入していた健康保険組合・協会けんぽ、またはお住まいの市区町村の国保窓口に確認するのが確実です。
よくある質問
ここまでお疲れさまでした。次は全体の流れを確認したり、自分に合った辞め方を診断してみてください。



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