本ページはプロモーションを含みます
更新日: 2026年08月23日
退職後にやるべき手続きは、健康保険・年金・失業保険・税金と種類が多く、期限もバラバラです。「何から手をつければいいか分からない」「気づいたら期限が過ぎていた」という不安に応えるため、この記事ではやることを期限が近い順に整理しました。チェックリストも用意したので、上から順にこなせば手続き漏れを防げます。
会社員のうちは、健康保険も年金も税金も会社がまとめて手続きしてくれていました。それが退職した瞬間、すべて自分でやらなければならなくなります。「知らなかった」「忘れていた」で損をするのは自分自身なので、不安になるのは当然です。
ですが、やること自体はそれほど多くありません。期限の早い順に4つのステップを押さえれば大丈夫です。まずは全体像から見ていきましょう。
退職後にやることの全体像|期限が近い順の一覧
退職後の手続きは、大きく分けると「健康保険」「年金」「失業保険」「税金」の4つです。まずは期限の目安を一覧で確認してください。
| 期限の目安 | やること | 窓口 |
|---|---|---|
| 退職日の翌日から20日以内 | 健康保険を選ぶ(任意継続・国民健康保険・家族の扶養) | 協会けんぽ/市区町村/家族の勤務先 |
| 退職日の翌日から14日以内 | 国民年金への切り替え(第1号被保険者への種別変更) | 市区町村役場 |
| 離職票が届き次第(退職後おおむね2週間前後) | ハローワークで失業保険(基本手当)の手続き | ハローワーク |
| 納付書が届き次第 | 住民税を納付(普通徴収への切り替え) | 市区町村 |
| 再就職せず年を越した場合、翌年2〜3月頃 | 確定申告(所得税の還付を受けられることがある) | 税務署 |
この中でとくに期限が早いのは健康保険と年金(退職後14〜20日以内)です。次の見出しから、それぞれ詳しく見ていきます。
【最優先】退職後14日以内にやること
健康保険と年金は、退職後の生活に直結するのに期限が短いので、最優先で片付けておきたい手続きです。
- 健康保険をどれにするか決める
任意継続・国民健康保険・家族の扶養のどれにするかを決めて手続きします。決め方は次の見出しで解説します。 - 国民年金への切り替え手続き
会社員時代の厚生年金から、国民年金(第1号被保険者)への切り替えが必要です。お住まいの市区町村役場の年金窓口で手続きします。 - 離職票が届くのを待つ
失業保険の手続きには離職票が必須です。会社から届くまで通常1〜2週間ほどかかるので、この間に上の2つを済ませておきましょう。
「とりあえず後回しにしよう」と思っているうちに20日近く経ってしまう人は少なくありません。退職日が決まったら、すぐにカレンダーに期限をメモしておくのがおすすめです。
健康保険は3択|空白期間を作らないための選び方
「保険証がない期間に病院にかかることになったらどうしよう」という不安を持つ人は多いです。退職後の健康保険は、次の3つから選びます。
| 選択肢 | 手続き期限 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 任意継続(会社の健康保険を最大2年継続) | 退職日の翌日から20日以内 | 在職中の給与が高めだった人・保険証を変えたくない人 |
| 国民健康保険 | 退職日の翌日から14日以内 | 前年の所得が下がる見込みの人 |
| 家族の扶養に入る | 条件を満たせば随時 | 配偶者や親などが会社員で、収入見込みが基準以下の人 |
保険料は前年の所得や自治体によって金額が大きく変わるため、この記事では概算を出しません。どの制度が自分にとって得かは、収入や家族構成によって変わります。
3択の保険料の計算方法や具体的な比較は、退職後の健康保険3択比較|任意継続・国保・扶養どれが得?で詳しく解説しています。迷ったらまずここで自分のケースを試算してみるのが安心です。
手続きをしないまま放置すると、病院にかかったときに一時的に全額自己負担になることがあります。あとから手続きすれば払い戻しを受けられる場合もありますが、窓口での立て替えは負担が大きいので、期限内の手続きを心がけましょう。
年金は国民年金への切り替えを忘れずに
「年金の手続きを忘れたら将来もらえる年金が減るのでは」と心配になる人もいますが、まず大事なのは未納状態を作らないことです。
会社員時代は厚生年金でしたが、退職すると自動的には切り替わりません。退職日の翌日から14日以内に、お住まいの市区町村役場で「国民年金第1号被保険者」への種別変更手続きをする必要があります。
国民年金保険料は月額17,510円(令和7年度)[要確認]で、収入が少ない場合は免除・猶予の制度もあります。手続きをしないまま放置すると未納期間となり、将来受け取れる年金額や、万一の際の障害年金・遺族年金にも影響する可能性があるため、忘れずに手続きしておきましょう。
配偶者の扶養に入る場合(国民年金第3号被保険者)は、配偶者の勤務先を通じた手続きになります。どちらに該当するか分からない場合は、市区町村の年金窓口かねんきんダイヤルに相談すれば教えてもらえます。
失業保険(基本手当)をもらうためにやることと期限
「本当に失業保険をもらえるのか」「もらい損ねたらどうしよう」という不安は、退職後の手続きの中でも大きいものです。順を追って整理します。
- 離職票を受け取る
会社から離職票1・2が届いたら、ハローワークへ行く準備をします。マイナンバーカード(無ければ個人番号確認書類と身元確認書類)、証明写真2枚、本人名義の預金通帳を用意しましょう。印鑑は不要です。 - ハローワークで求職の申し込み
離職票を提出して求職の申し込みをすると、受給資格があるかどうかが確認されます。自己都合退職の場合は離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上、会社都合・特定理由離職者の場合は離職の日以前1年間に通算6ヶ月以上が目安です。 - 待期期間7日間
退職理由にかかわらず、申し込みから7日間は「待期期間」として、この間は支給されません。 - 給付制限(自己都合の場合)
自己都合退職の場合、待期期間後さらに原則1ヶ月の給付制限があります(令和7年4月1日以降の離職の場合。それ以前の離職は2ヶ月)。会社都合・特定受給資格者には給付制限はありません。 - 4週間に1回の認定日で受給
給付制限が明けると、原則4週間に1回の認定日ごとに失業の認定を受けながら基本手当を受け取ります。受給期間は離職日の翌日から原則1年です。
基本手当日額には上限があり、令和8年8月1日現在で30歳未満7,450円、30〜44歳8,270円、45〜59歳9,110円、60〜64歳7,830円です。給付率は賃金日額の50〜80%(60〜64歳は45〜80%)で決まります。
所定給付日数は、自己都合・定年等の一般の場合65歳未満で10年未満90日/10年以上20年未満120日/20年以上150日、会社都合・特定受給資格者は年齢や被保険者期間に応じて90〜330日、就職困難者は最大360日です。
自己都合か会社都合かで給付制限の有無・給付日数が大きく変わるため、自分がどちらに該当するかは早めに確認しておくことが大切です。詳しくは自己都合と会社都合の違い|給付制限・給付日数を徹底比較、金額の詳しいシミュレーションは失業保険はいくらもらえる?金額の決まり方と受給までの手順を参照してください。
これらの制度は最終確認日時点(令和8年8月7日)の内容です。詳細はハローワーク:基本手当について、厚生労働省:離職されたみなさまへで確認できます。制度は改正されることがあるため、最新情報はハローワークでも確認しましょう。
離職票が届かないときの不安への対処
「離職票がなかなか届かず、失業保険の手続きが進まない」という相談は多くあります。通常は退職後1〜2週間ほどで会社から郵送されますが、会社側の手続きが遅れることもあります。
2週間以上経っても届かない場合は、まず会社の人事・総務に確認の連絡を入れましょう。それでも進まない場合は、ハローワークに相談すれば会社への指導や、離職票なしでの仮手続きの案内をしてもらえることがあります。
必要書類の詳細や、届かないときの具体的な対処手順は離職票の必要書類チェックリスト|届かない時の対処法と再発行手順にまとめています。
住民税は「後から来る請求」に備える
「退職して収入が減ったのに、住民税だけ高いままで払えるか不安」という声もよく聞きます。これは住民税の仕組みが原因です。
住民税は前年の所得に対する後払いの税金です。退職して収入が下がっても、前年の所得を基準に課税されるため、退職した翌年も前年所得を基準にした納付が続きます。
在職中は給与から天引き(特別徴収)されていますが、退職すると自治体から届く納付書で自分で納める「普通徴収」に切り替わるのが実務上の基本です。退職する月にかかわらず普通徴収になるケースが多く、最後の給与や退職金からまとめて天引きされる「一括徴収」は、そこまで多くありません。
年の前半(おおむね1〜4月頃)に退職すると一括徴収の対象になりやすいとされますが、給与が不足する等の理由で実際には普通徴収になることもあり、必ず一括徴収になるとは限りません。「1〜5月は一括、6〜12月は普通」と単純に月で決まるものではないため、自分の場合がどうなるかは会社の総務・人事、または市区町村に確認しましょう。
転職先が決まっている場合は、「給与所得者異動届出書」を使って特別徴収を新しい勤務先に引き継げる場合もあります。個別の金額は前年所得や自治体によって差が大きいため、通知が届いたら金額を確認し、支払いが厳しければ市区町村の窓口で分割や猶予の相談をすることもできます。詳しくは退職後の住民税が怖い理由|前年課税と徴収切替の落とし穴で解説しています。
確定申告で税金が戻ってくることも
「税金の手続きなんて他にもあるの?」と感じるかもしれませんが、年内に再就職しなかった人は、確定申告をすることで所得税の一部が戻ってくることがあります。
会社員は通常、年末に会社が「年末調整」をして所得税を精算してくれます。しかし年の途中で退職してそのまま年を越すと、年末調整を受けられません。給与から天引きされていた所得税は、実際より多く払いすぎているケースが多いため、翌年2〜3月頃に確定申告をすると還付を受けられる可能性があります。
還付されるかどうか、金額がいくらになるかは個人の所得や控除の状況によって異なるため、確定な金額はここでは示せません。手元に源泉徴収票を用意し、税務署や国税庁の相談窓口、税理士に相談しながら進めるのが安心です。
転職先が決まっている人はここまで省略できる
「もう次の会社が決まっているのに、全部やらなきゃいけないの?」という疑問もよくあります。答えは、退職日と入社日の間に空白(ブランク)期間があるかどうかで変わります。
- 退職日の翌日に入社する(ブランクなし)→健康保険・年金の切り替えは基本的に不要(新しい会社が手続き)
- 入社まで数日〜1ヶ月ほど空く→その期間だけ健康保険・年金の手続きが必要になることが多い
- 転職先が決まっていても、失業保険は原則もらえない→求職活動をしないため対象外
- 住民税は転職先が決まっていれば「給与所得者異動届出書」で特別徴収を引き継げる場合がある
ブランク期間が短くても、健康保険が「空白期間」にならないよう、念のため確認しておくと安心です。転職と退職のタイミングで迷う場合は、転職先が決まってないまま退職して平気?無職期間を怖くしない方法も参考になります。
手続き漏れを防ぐ!退職後やることチェックリスト
最後に、これまでの内容をチェックリストにまとめました。上から順にチェックしていけば、漏れを防げます。
- 退職日・離職票が届く時期をカレンダーにメモしたか
- 健康保険(任意継続・国保・扶養)をどれにするか決めて手続きしたか(退職後20日以内が目安)
- 国民年金への切り替え手続きをしたか(退職後14日以内が目安)
- 離職票が届いたら、ハローワークで求職の申し込みをしたか
- 自己都合か会社都合か、給付制限の有無を確認したか
- 住民税の納付書が届いたら、金額と納付方法を確認したか
- 再就職せず年を越しそうな場合、確定申告の準備(源泉徴収票の保管)をしているか
- 転職先が決まっている場合、健康保険・年金・住民税それぞれの引き継ぎ方法を確認したか
それでも不安なとき・一人で抱えないための相談先
「手続きの説明を読んでも、自分の場合どうなるか分からない」というのは自然なことです。個別の事情によって判断が変わる部分も多いため、無理に一人で抱え込む必要はありません。
健康保険や年金は市区町村の窓口、失業保険はハローワーク、税金は税務署が、それぞれ無料で相談に応じてくれます。分からないことは電話一本で確認できることも多いので、「聞いたら迷惑かな」と遠慮しすぎなくて大丈夫です。
また、そもそも退職を切り出すこと自体がつらくてなかなか進められない、という段階の人もいるかもしれません。上司に言い出せない、強く引き止められて困っているという場合は、退職代行という選択肢もあります。無理にすすめるものではありませんが、どうしても自分で言い出すのが難しいときの手段の一つとして知っておくと安心です。
よくある質問
ここまでお疲れさまでした。次は全体の流れを確認したり、自分に合った辞め方を診断してみてください。



コメント