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更新日: 2026年08月07日
退職を考えたとき「自己都合と会社都合、どっちになるんだろう」という疑問はとても自然なものです。この2つは、失業保険(雇用保険の基本手当)が支給されるまでの期間や、もらえる日数に関わってくるからです。この記事では、一般的な違いの考え方と、判定に迷ったときにどこへ相談すればいいかを、公的情報をもとに整理します。
先にお伝えすると、自己都合か会社都合かは最終的にハローワークが個別の事情をもとに判定します。同じ「上司と合わずに辞めた」という状況でも、人によって扱いが変わることがあります。
この記事はあくまで一般論としてご覧いただき、迷ったときは必ず公的窓口に確認してください。
「辞めたいけど、扱いで損したくない」その気持ちは当然です
辞めること自体を決めるだけでも大変なのに、「自己都合にされたら生活が苦しくなるかも」という不安が重なると、なかなか一歩を踏み出せません。特にお金の面は、辞めたあとの生活に直結するので気になって当然です。
まずは「自己都合」と「会社都合」で何がどう変わるのかを、落ち着いて整理していきましょう。仕組みが分かれば、必要以上に不安がることはなくなります。
そもそも自己都合退職・会社都合退職とは
自己都合退職
転職・キャリアアップ・体調不良・家庭の事情など、労働者側の意思で退職することを指します。離職票では「一般の離職者」として扱われるのが基本です。
会社都合退職
倒産、解雇、雇い止め(本人の希望と異なる形での契約終了)など、会社側の事情によって退職せざるを得なくなったケースです。雇用保険上は「特定受給資格者」と呼ばれます。
ここで重要なのは、退職届に何と書いたかだけで決まるわけではないという点です。実際の退職の経緯・理由が、ハローワークによって離職理由コードとして判定されます。
【比較表】自己都合と会社都合で何が変わるのか
| 項目 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
|---|---|---|
| 雇用保険上の分類 | 一般の離職者 | 特定受給資格者 |
| 給付制限期間 | あり(原則1ヶ月)※令和7年4月以降 | なし |
| 所定給付日数 | 90〜150日 | 90〜330日 |
| 国民健康保険の軽減措置 | 原則対象外 | 対象になる場合あり |
| 離職票への影響 | 離職理由コードが自己都合系 | 離職理由コードが会社都合系 |
上記の日数・期間は制度改正により変わることがあります。基準時点や個別の被保険者期間・年齢によって数値は異なるため、必ずハローワークで最新の情報をご確認ください。
なぜ違いが生まれる?給付制限の考え方
失業保険は「働く意思があるのに職がない人」を支えるための制度です。自己都合退職の場合、退職のタイミングを本人が選べたと見なされるため、一定期間は基本手当が支給されない「給付制限」が設けられています。
一方、会社都合退職は本人の意思に反して収入が絶たれる状況のため、給付制限を設けずに、早期に生活を支える仕組みになっています。この「早く支給を始めるか、少し待たせるか」という発想の違いが、給付制限の有無を分けています。
給付制限の具体的な期間や、5年間で何回まで短縮対象になるかといった細かいルールは改正されることがあるため、本文では断定を避けます。最新の期間はハローワークインターネットサービスや最寄りのハローワークでご確認ください。
所定給付日数の違い(一般論)
もらえる日数(所定給付日数)は、離職理由に加えて、年齢や雇用保険の被保険者期間によっても変わります。一般的な傾向は次のとおりです。
| 区分 | 被保険者期間 | 目安の日数 |
|---|---|---|
| 自己都合(一般) | 10年未満〜20年以上 | 90〜150日 |
| 会社都合(特定受給資格者) | 1年未満〜20年以上 | 90〜330日 |
会社都合のほうが日数の上限が長く設定されており、年齢が上がるほど日数が手厚くなる傾向があります。ただし正確な日数は年齢区分・被保険者期間の細かい表に基づいて決まるため、ご自身の場合の日数は失業保険の受給手順を解説した記事やハローワークの窓口で確認するのが確実です。
会社都合として認められやすいケース・認められにくいケース
会社都合になりやすい例:会社の倒産、整理解雇、雇い止め(本人が更新を希望したのに更新されなかった場合)、賃金の未払いが続いた場合、パワハラ・セクハラなど労働環境の著しい悪化が認められる場合など。
自己都合とみなされやすい例:転職先が決まったための退職、体調不良でも本人都合による休職・退職の申し出、契約期間満了で本人が更新を希望しなかった場合など。
ここで挙げた例はあくまで一般的な傾向です。同じ「パワハラが理由」でも、証拠や経緯によって判定が変わることがあります。
判断に迷う場合は、退職前後に一人で抱え込まず、ハローワークの窓口や労働基準監督署に相談してみてください。
離職票の「離職理由」欄はここを見る
退職後に会社から届く「離職票」には、離職理由が記載されています。この欄の内容が、自己都合か会社都合かの実際の判定に直結します。
- 離職理由の欄にどのコードが記載されているか
- 会社側の記載理由と、自分が認識している退職理由が一致しているか
- 「事業主記入欄」と「離職者記入欄」の両方に目を通したか
- 異議がある場合の「異議あり」チェック欄を確認したか
離職票が届いたら、内容にざっと目を通す前にサインをしないことが大切です。事実と異なる記載がある場合は、その場でサインをせず、後述の対処法を確認してみてください。
会社都合のはずなのに自己都合にされた…そんなときの対処法
離職理由欄のコードと、実際の退職の経緯が合っているかをチェックします。
離職票には「離職理由に異議あり」と記載できる欄があります。事実と違う場合はここに意思表示をします。
退職理由に関わるメール、勤務記録、給与明細、やり取りの記録など、経緯を裏付けるものを整理します。
最終的な判定はハローワークが行います。窓口で事情を説明し、必要な書類について案内を受けます。
会社と直接やり取りするのが気まずい、言い出しにくいという場合は、退職の意思そのものを自分で伝えるのが難しいケースもあります。そうしたときは退職の切り出し方を解説した記事や、引き止めへの対処法も参考にしてみてください。
どうしても自分で会社に伝えるのが難しいときは、退職代行という方法を検討する読者もいます。
自己都合でも給付制限がないケース「特定理由離職者」
自己都合退職の中にも、「正当な理由のある自己都合退職」として、給付制限が設けられない、または軽減される区分があります。これは「特定理由離職者」と呼ばれます。
体調不良(医師の診断書などが必要になる場合があります)、家族の介護、配偶者の転勤に伴う引っ越しなど、やむを得ない事情がある場合が該当することがあります。
特定理由離職者に該当するかどうかの具体的な基準や必要書類は個別の事情によって異なります。該当する可能性がある方は、退職前後にハローワークへ直接相談することをおすすめします。
よくある失敗・注意点
「なんとなく気まずいから」という理由で、本来は会社都合に該当しそうな退職理由を、自ら「一身上の都合」として処理してしまうケースがあります。この場合、給付制限や日数の面で不利になる可能性があるため注意が必要です。
逆に、会社都合にこだわりすぎて会社との関係がこじれ、退職の手続き自体が長引いてしまうケースもあります。円満に手続きを進めることと、正当な権利を主張することは、両立できる場合が多いので、まずは事実関係を整理することから始めてみてください。
また、離職票が届くまでには通常ある程度の日数がかかります。退職後すぐに転職活動や生活費の計画を立て始め、離職票が届いたら早めに内容を確認する習慣をつけておくと安心です。
お金の不安は制度の理解から少しずつ減らせます
自己都合か会社都合かで、当面の生活費の見通しは変わってきます。とはいえ、制度の仕組みを知っておくだけで「何もわからず不安」という状態からは抜け出せます。
失業保険の金額の決まり方や受給までの具体的な手順はこちらの記事で詳しく解説しています。あわせて、退職後のお金全般については辞めたあとのお金カテゴリもご覧ください。
よくある質問
不安な場合はキャリア相談窓口に相談するのも一つの方法です。
ただし証拠や経緯によって判定が変わるため、一般論として捉え、ハローワークや労働基準監督署に相談することをおすすめします。
本人が更新を希望しなかった場合は自己都合として扱われる傾向があります。
事実と異なる場合はそこに意思表示をし、証拠となる資料を添えてハローワークに相談してください。会社に直接確認することも一つの方法です。
ここまでお疲れさまでした。次は全体の流れを確認したり、自分に合った辞め方を診断してみてください。



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