退職金の相場はいくら?勤続年数別の目安と自分の額の確認先

辞めたあとのお金

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更新日: 2026年09月05日

「退職金って、自分の場合いくらもらえるんだろう」——辞める決心が固まっても、辞めたあとのお金の見通しが立たないと、なかなか動けませんよね。この記事では、勤続年数別の相場の目安と、何より大事な「自分がいくらもらえるかを確実に確認する方法」をお伝えします。結論から言うと、退職金の額は会社の制度で決まるので、相場はあくまで“目安”。あなたの本当の金額は就業規則(退職金規程)と会社の担当部署で確認するのが唯一の正解です。相場・確認先・税金・手取り・失業保険との合わせ方まで、順番に整理していきましょう。

まず結論:退職金の「相場」は目安、あなたの額は規程で決まる

ネットで「退職金 相場」と調べると、いろんな金額が出てきて余計に不安になりますよね。大前提としてお伝えしたいのは、退職金は法律で義務づけられた制度ではないということです。

つまり、支給するかどうかも、いくら払うかも、会社ごとの就業規則(退職金規程)で自由に決められるのが実情です。だから世の中の“相場”は、あくまで「多くの会社ではこのくらい」という平均像にすぎません。

あなたが本当に知りたいのは「うちの会社でいくら?」のはず。相場で心の準備をしつつ、最後は自社の規程で確定させる——この2ステップで進めるのが、いちばん確実で損をしません。

ここが大事
この記事の相場は「心の準備・ざっくり把握」用です。生活設計に使う金額は、必ず後半の「確認する手順」で自社の規程を見て確定させてください。相場だけで辞める判断をすると、当てが外れる可能性があります。

勤続年数別・退職金の相場の目安(ざっくりイメージ)

まずは「自分はどのくらいの位置にいるのか」をつかむために、勤続年数別のざっくりした目安を見てみましょう。ここで出す金額は、各種の調査や統計で示される一般的な傾向をもとにした概算で、会社の規模・業種・学歴・退職理由(自己都合か会社都合か)で大きく変わります。

以下の金額は公的な確定値ではなく、あくまで概算のイメージです(会社差が非常に大きいため[要確認])。自分の額は必ず自社の退職金規程で確認してください。
勤続年数 自己都合の目安 会社都合の目安
3年 数万〜数十万円程度 [要確認] 数十万円程度 [要確認]
5年 数十万円程度 [要確認] 50万〜100万円前後 [要確認]
10年 100万〜200万円前後 [要確認] 150万〜300万円前後 [要確認]
20年 300万〜500万円前後 [要確認] 400万〜700万円前後 [要確認]

ポイントは3つあります。ひとつめは、勤続年数が長いほど1年あたりの上がり幅が大きくなる設計の会社が多いこと。同じ「1年分」でも、勤続3年目と勤続15年目では加算のされ方が違います。

ふたつめは、会社都合退職のほうが自己都合より支給額が多くなるのが一般的なこと。自己都合だと「自己都合減額」で係数が下がる規程が多いです。

みっつめは、同じ勤続年数でも会社によって数倍の差が出ること。だからこそ相場だけを信じるのは危険で、次の章の確認が欠かせません。

勤続年数が短い自分でも、退職金はもらえる?

「まだ3年しか働いてないし、退職金なんて期待できないよね…」と諦めていませんか。ここは会社によってはっきり分かれるところです。

多くの退職金規程では、「勤続◯年以上でないと支給しない」という最低勤続年数の条件が定められています。よくあるのは「勤続3年以上」「勤続1年以上」などですが、これも会社ごとにバラバラです。

もらえる可能性があるパターン

  • 規程の最低勤続年数(例:3年)をすでに超えている
  • 会社都合退職で、自己都合より条件が緩く設定されている
  • 確定拠出年金(企業型DC)など、勤続が短くても積み立て分がある制度
もらえない・少ないパターン

  • 最低勤続年数(例:勤続3年未満)に届いていない
  • そもそも会社に退職金制度がない
  • 懲戒解雇など、規程で不支給・減額の対象になっている

大切なのは、「短いから無理」と思い込まず、まず規程の最低勤続年数を確認することです。ギリギリ届いていない場合、退職日を少しずらすだけで支給対象になるケースもあります。この判断は個別事情によるため、就業規則を見たうえで担当部署に確認しましょう。

そもそも退職金制度がない会社もある——見分け方

「退職金があると思って辞めたのに、実はうちには制度がなかった」——これがいちばん怖いパターンです。冒頭で書いたとおり、退職金は法律上の義務ではないので、制度そのものがない会社は珍しくありません。特に中小企業やベンチャー、設立の新しい会社では、月給に上乗せするかわりに退職金を設けていないこともあります。

「うちに退職金があるのか?」を見分けるには、次を確認してください。

  • 就業規則(または退職金規程・退職手当規程)に退職金の記載があるか
  • 入社時の労働条件通知書・雇用契約書に退職金の項目があるか
  • 求人票に「退職金あり」「退職金制度:あり」と書かれていたか
  • 給与明細に「企業型DC」「確定拠出年金」などの積立項目があるか
  • 中退共(中小企業退職金共済)に加入していないか

ひとつでも該当があれば、退職金や積立が受け取れる可能性が高いです。逆にどこにも記載がなければ、制度がない前提で生活設計を立てたほうが安全です。「あるはず」で動かず、書面で確かめるのが鉄則です。

自分の退職金がいくらか、確実に確認する手順

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。相場をいくら眺めても、あなたの金額は分かりません。次の順番で確認すれば、確実に「自分の額」にたどり着けます。

就業規則・退職金規程を手に入れる
会社は就業規則を従業員に周知する義務があります。社内イントラ・人事の共有フォルダ・総務への請求などで、退職金規程(退職手当規程)を入手しましょう。ここに支給条件と計算式が書かれています。
計算方法のタイプを確認する
「基本給×勤続年数×支給率」型、「勤続年数ごとの定額テーブル」型、「ポイント制」型などがあります。自己都合減額の係数もここでチェックします。
自分の数字を当てはめて概算する
自分の基本給・勤続年数・退職理由を式に入れて概算します。基本給ベースの場合、残業代や手当は含まれないことが多い点に注意。
人事・総務に直接聞く
いちばん確実なのは担当部署に聞くこと。「退職を検討していて、退職金の見込み額を教えてほしい」と伝えれば、多くの会社で試算してくれます。言い出しづらければ、まず制度の一般的な質問から入ってもOKです。
DC・中退共は運営先で確認する
企業型確定拠出年金は運営管理機関のWebサイトで資産額を確認できます。中退共は加入者本人が問い合わせられます。会社を通さず自分で残高を把握できます。

「退職を検討中だと知られたくない」という場合は、まず規程だけ自分で読んで概算し、金額の当たりをつけてから担当部署に確認する、という順番がおすすめです。退職の切り出し自体に不安がある人は、退職の切り出し方の記事もあわせて読んでみてください。

退職金は税金や社会保険で引かれる?手取りの考え方

「退職金が◯百万円と分かっても、税金でごっそり引かれたら意味ないのでは…」という不安、よく分かります。ここは安心してください。退職金は税制上とても優遇されています。

退職金にかかる税金(所得税・住民税)は、給与とは別枠の「退職所得」として計算され、勤続年数に応じた大きな控除(退職所得控除)が差し引かれます。控除の枠内に収まれば、税金がまったくかからないこともよくあります。

退職所得控除のイメージ
勤続20年までは1年あたり40万円、20年を超える部分は1年あたり70万円が控除されます(会社に「退職所得の受給に関する申告書」を出した場合)。たとえば勤続10年なら控除枠は400万円程度になり、退職金がその範囲内なら所得税・住民税はかからないのが一般的です。正確な控除額・税額は個別事情によるため、国税庁の案内や勤務先で確認してください。

さらにうれしいのは、退職金には社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)がかからない点です。給与のように保険料でごっそり引かれることはありません。手続き上、会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しておけば、原則として適正な税額が源泉徴収され、確定申告なしで完結することが多いです(申告書を出さないと一律20.42%が源泉徴収され、後で確定申告が必要になる場合があります)。

退職後の税金全体の流れは、住民税の後払いなど落とし穴もあります。退職後の住民税の記事や退職後やることリストもあわせて確認しておくと安心です。

自己都合と会社都合で退職金はどれくらい違う?

同じ勤続年数でも、自己都合退職か会社都合退職かで退職金額が変わるのが一般的です。多くの規程では、自己都合の場合に支給率を下げる「自己都合減額」が設定されています。

たとえば「勤続10年・会社都合なら満額、自己都合なら7〜8割」といったイメージの規程もあります(会社ごとに差が大きいため、実際の係数は自社規程で確認が必要です)。

ちなみに、退職金だけでなく失業保険(雇用保険の基本手当)も、自己都合と会社都合で大きく違います。会社都合(特定受給資格者)なら給付制限がなく、給付日数も長くなる傾向があります。この違いは自己都合と会社都合の違いの記事で詳しく整理しています。

なお、自己都合退職の場合の失業保険の給付制限は原則1ヶ月(令和7年4月1日以降の離職)に短縮されています(それ以前の離職は2ヶ月)。5年間で2回以上の自己都合離職や懲戒解雇は3ヶ月です(令和7年4月改正・出典:ハローワーク:基本手当について)。

退職金+失業保険で、辞めたあとの生活はどう見通す?

退職金だけで生活を組み立てようとすると、思ったより早く底をつくこともあります。辞めたあとのお金は、退職金・失業保険・貯金の3つを合算して考えるのがコツです。

失業保険(基本手当)は、退職前6ヶ月の賃金をもとに計算した賃金日額の50〜80%(60〜64歳は45〜80%)が支給されます。1日あたりの上限額は年齢で決まっており、30歳未満は7,450円、30〜44歳は8,270円、45〜59歳は9,110円(令和8年8月1日現在)です(出典:ハローワーク:基本手当について)。もらえる金額の詳しい決まり方は失業保険はいくらもらえる?の記事で確認できます。

自己都合の一般の受給者の場合、所定給付日数は勤続(被保険者期間)に応じて10年未満90日/10年以上20年未満120日/20年以上150日です(65歳未満・出典:厚生労働省:離職されたみなさまへ)。退職金と合わせて「何ヶ月生活を支えられるか」を試算しておきましょう。

必要な生活費の出し方は退職の貯金はいくら必要?の記事が役立ちます。まとまった貯金がなくて不安な人は貯金なしで辞めたい人へのガイドも見てみてください。

退職金で損しないための注意点・失敗例

最後に、退職金で「もっと確認しておけばよかった」となりがちな失敗例を挙げます。あてはまるものがないか、辞める前にチェックしてください。

ありがちな失敗

  • 相場だけを見て「うちも◯百万円あるはず」と思い込んで辞めた
  • 最低勤続年数にわずかに届かず、退職金がゼロになった
  • 退職日をボーナス支給日の前に設定してしまい、ボーナスを逃した
  • 「退職所得の受給に関する申告書」を出さず、多めに源泉徴収された
  • 企業型DCの移換手続きを忘れ、放置して手数料を取られた

逆に、損をしないためにやっておきたいことはこちらです。

  • 退職金規程を書面で入手し、支給条件と計算式を確認した
  • 人事・総務に見込み額を試算してもらった
  • 退職日と支給日の関係(勤続年数の区切り)を確認した
  • ボーナスの支給条件も確認した(ボーナスと退職タイミングの記事)
  • 企業型DCがある場合、退職後の移換先を決めた

退職金・ボーナス・有給消化のタイミングは、退職日の決め方ひとつで手元に残る金額が変わります。焦らず、規程と支給日を確認してから退職日を決めましょう。

どうしても会社に確認しづらいときは

「退職を検討中だと知られるのが怖くて、退職金のことを聞き出せない」——そんなときもありますよね。まずは自分で就業規則を読んで概算し、金額の当たりをつけるだけでも見通しは立ちます。

それでも上司や人事に切り出すこと自体がつらい、強い引き止めが予想される、という場合は、引き止めへの対処法の記事や、どうしても自分で言うのが難しいときの選択肢として退職代行という方法もあります。無理にすすめるものではありませんが、味方になってくれる選択肢の一つとして知っておくと、少し気持ちが楽になるはずです。

退職金の額は、あなたのこれまでの働きに対する対価です。相場に一喜一憂せず、まずは自社の規程を確かめる——その一歩から、辞めたあとの安心な見通しを作っていきましょう。

よくある質問

退職金の相場は勤続年数でどれくらい変わりますか?
一般的な傾向として、勤続が長いほど額は大きくなり、勤続10年で自己都合100万〜200万円前後、勤続20年で300万〜500万円前後が目安とされます。ただし会社・業種・規模で数倍の差が出るため、これは概算です。自分の額は必ず自社の退職金規程で確認してください。
勤続3年でも退職金はもらえますか?
会社の規程次第です。多くの規程には「勤続◯年以上で支給」という最低勤続年数があり、勤続3年以上を条件にする会社もあります。ギリギリ届かない場合は退職日をずらすと対象になることも。就業規則を確認し、担当部署に問い合わせましょう。
うちの会社に退職金制度があるか分かりません。どう調べれば?
退職金は法律上の義務ではなく、ない会社もあります。就業規則(退職金規程)、労働条件通知書・雇用契約書、求人票の「退職金あり」表記、給与明細の企業型DCや中退共の項目などを確認しましょう。どこにも記載がなければ制度がない前提で備えると安全です。
退職金にはどれくらい税金がかかりますか?
退職金は「退職所得」として給与とは別に優遇されます。勤続年数に応じた退職所得控除(20年まで1年40万円、超過分は1年70万円)が差し引かれ、控除内なら税金がかからないこともよくあります。社会保険料もかかりません。正確な額は国税庁や勤務先で確認してください。
退職金の手取りを減らさないために気をつけることは?
会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しておくことが重要です。提出すれば控除が適用され適正な税額で完結しますが、出さないと一律20.42%が源泉徴収され、後で確定申告が必要になる場合があります。忘れずに提出しましょう。
自己都合と会社都合で退職金は違いますか?
一般的に会社都合のほうが多く、自己都合には支給率を下げる「自己都合減額」が設定されている規程が多いです。差の大きさは会社ごとに異なるため自社規程で確認を。なお失業保険も自己都合と会社都合で給付制限や日数が変わります。
退職金の見込み額を会社に聞いても大丈夫ですか?
問題ありません。「退職を検討していて見込み額を知りたい」と伝えれば試算してくれる会社が多いです。知られたくない場合は、まず自分で就業規則を読んで概算し、当たりをつけてから確認する順番がおすすめです。
退職金と失業保険で辞めたあとの生活は足りますか?
退職金・失業保険・貯金を合算し「何ヶ月支えられるか」で見通しを立てるのがコツです。失業保険は賃金日額の50〜80%(自己都合一般で90〜150日)。生活費の目安を出したうえで、不足分を計算しておくと安心です。個別の生活設計は自分の数字で試算しましょう。
次の一歩へ

ここまでお疲れさまでした。次は全体の流れを確認したり、自分に合った辞め方を診断してみてください。


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